そこで世界的なイノベーションを起こした人々から見たSilicon Cape【前半】
こんにちは。
PwCがケープタウンに投資する様々な理由をまとめているものがあったのでその内容について触れていきます。
https://www.pwc.co.za/en/assets/pdf/cape-town-digital-gateway-to-africa.pdf
量が多いのでこの内容には何回か触れていくと思います。
ケープタウンで活躍する人々のその地域に対する批評が載っていたのでそこから日本ではあまり知られていない、そもそも話題にもあまりなっていないケープタウンの大枠を掴んでいきたいと思います。
一人目はヨハネスブルグ証券取引所に上場しているIT、Web系の企業NasperのCEOであるKoos Bekker氏
写真:Chinese shares make Naspers's Koos Bekker a billionaire | Business | M&G
「ケープタウンは美しいビーチや、ワインの名産地であること、ライフスタイルなどサンフランシスコと多くの共通点があります。しかしもっと重要なのは素晴らしい大学があり独創的な若者たちのが集まっているということです」
二人目は途上国のネットワーク事業者や金融機関にモバイル金融サービスを提供するFundamoのCEOであるHan van Rensburg氏
写真:http://www.brainstormmag.co.za/personality-profile/10948-keeping-calm
「ケープタウンは、世界でも有数のテクノロジーエコシステムの1つとなっており、輝くような人材、明確なビジョンを持った起業家、有力な投資家を魅了します。それは私の人生が証明しています。」
三人目は1000万人のアクティブユーザーを抱えるアフリカ最大のモバイルソーシャルネットワーキングサービスを提供するMxitのCEOであるFrancois Swart氏
写真:Mxit goes for continuity, announces Francois Swart as CEO – Ventureburn
「私たちは、巨大で興味深い現実世界の問題と回復力、ヌーのような止められない姿勢と相まった、世界的に競争力のある能力の完璧な組み合わせを持っています。私たちが失敗するはずないでしょう?」
四人目は通話や取引などもできる企業と顧客のメッセージングサービスを提供しており、2000年にケープタウンで設立され現在はカリフォルニアに本社を移しているClickatellのCEOであるPieter de Villiers氏
「起業家は皆妥協を許さず、世界を大きく見据えており、自発的にそれぞれ個人で固く決心している。 革新的な文化、強力なICTインフラ、そこに住む同じ志を持つ起業家やメンターのコミュニティがあることを理由に、事業を立ち上げる場所としてケープタウンを選ぶ企業が増えています。」
五人目は西ケープ州の大学の卒業生が立ち上げた決済サービスを買収したACIのアフリカ事業担当副社長兼ゼネラルマネジャーのDeon van Biljon氏
写真:LinkedIn: Log In or Sign Up
写真:Amazon to bulk up Cape Town presence - TechCentral
インドのスタートアップエコシステム【続き】
今日は昨日の続きというか動画全体をまとめていきます。
僕が留学に行く南アフリカと今回まとめているインドは同じBRICS追加され経済成長を期待されていましたが、南アフリカはインドに比べると期待値が落ちかけているように感じています。
どこに大きな違いがあるのかが見えてきそうだったのでこの動画には興味がありました。
まずインドの基礎データから
GDP:約2.264兆ドル
一人当たりGDP:約1,7000ドル
人口:約13億
人口増加率:約1.2%
インターネット普及率:約30%
動画から見るインドの注目すべきポイント
・人口ボーナス(13億人、3分の2が14歳未満)
・残りの10億人のネット環境が整えばさらに大きな経済規模になる
・協力的な政府(日本ほど規制がない)
・インドのスタートアップ企業数は18,000でシリコンバレーより多い(2015年)
・シリコンバレーで働く人の約3分の1はインド人(つながりが深い)
・VCの投資金額はアメリカ(68bドル)、中国(37bドル)に続き世界第3位の9bドル(日本は0.6bドル)
・リープフロッグ(有線⇨無線、ノートパソコン⇨スマホ、レストラン⇨Uberなどの出前、クレカ⇨wallet)
・アメリカやイギリスよりも英語を話す人口が多い
・政府がスタートアップの製品サービスの1番の消費者(30%)
インドスタートアップの課題
・鉄道などインフラの不整備などで物理的なビジエスを広めるのはまだ難しい(物流など)
・28ぐらいの細かい市場が組み合わさって成り立っている均一な市場ではない、製品の各地域へのローカライゼーション
・農村部へのネット環境整備
アフリカ諸国もそうだけど新興国の強みとして人口の若年層の割合が多く、これから就労人口が増加するにつれてGDPも上昇していくことが予想できます。
日本は民泊の規制の話などよく聞きますが、インドは規制で弾かれる革新的なサービスは2%程度で、シリコンバレーで作られたサービスなどをすぐにインドで展開できるようになっていることは国を発展させる上で重要で、インド以外の次の60億人の市場を見据えていることが窺えます。
その障壁を取り除かないと革新的なサービスを日本で展開するのは困難だし、日本で流行ったサービスを世界中に広めることも難しそうです。
Uberがインドにおいて25万人の雇用を生み出しているのでこれからもCtoCのプラットフォームを提供すれば雇用創出に繋がるかもしれない。
結局のところ新興国は若年層が増えるにつれて失業者も増加するため雇用を創出しないといずれ規制で弾かれてしまいそうです。
雇用創出は新興国ビジネスで重要なポイントになりそう。
規制は必ず技術に遅れをとるため、政策が出来る前に規制をかけれないぐらいサービスを大きくしようというマインドは一番響きました。
そのマインドがリープフロッグに繋がっているのかもしれないです。
そして他の新興国の経済発展のヒントになるのではないかと思います。
いろんな国の経済の現状をみて多角的な視点から南アフリカ経済を見ていけるようになりたいです。
また何か書きます。
インドのスタートアップエコシステム
こんばんは。
1日1記事ってなかなか大変ですな、、
ケープタウンの記事を書いているのですがまとまっていないので今日はインドのスタートアップエコシステムについて書きます。
youtubeにこんな動画があったのでみてみました。
世界が注目!成長を続けるインドのスタートアップエコシステム -NEST2016- - YouTube
日付が変わっちゃいそうで時間がないので要点をまとめていきます。
・モデレーター
松田 憲幸 (ソースネクスト株式会社 代表取締役社長/新経済連盟 理事)
・パネリスト
サヒル・バルア (Delhivery CEO兼共同創業者)
アルヴィンド・グプタ (デジタル・インディア・ファンデーション 創設者/インド人民党 ナショナル・テクノロジー・ヘッド)
ラジェシュ・サハニ (InnerChef 共同創業者/GSF 創業者)
現在はインドは日本のGDPの半分くらい
人口が6年後には中国を抜く
8年後にはGDPで日本を抜く
VCの投資金額でいくと…
1位:アメリカが68b$
2位:中国37b$
3位:インド9b$
…日本0.6b$
(2015年)
*VCの投資金額ではインドは世界で3番目
2015年のインドのスタートアップの数は18,000
シリコンバレーより多い
なぜそこまで増えたのか
施策
・デジタルインディア
インターネットを安価で提供する
人口12億5千万人のうち約2億5千万人はネットに接続している
残りの10億人はネットに接続できていない
・スタートアップインディアというポリシー
インドワークカルチャーを変える
最も簡単に起業、廃業ができる国を目指す
失敗が下に見られず、評価される国へ
・政府が主に投資しているのは3つ
インキュベーター設立
スタートアップのための基金を創設
政府がスタートアップの製品サービスの1番の消費者になった
(スタートアップの製品サービスの30%はインド政府が消費)
過去10年の最も大きな変化はモバイルデバイスの普及によってデジタル経済へ大きくリープフロッグした
・有線を飛び越えてノキア(通信機器大手)が台頭、一時は85%の市場占有率
・ノートパソコンを飛び越えて、すぐにスマホが普及、
・決済、多くの国民がクレカを持っていない、2000万枚以下だがWalletは利用者1億人以上、よってEコマースが飛躍的に伸びている
・インドにはレストランがあまりないがそれを飛び越えて出前が普及
歴史的なリープフロッグを実現するための3つの要素
・市場
・人材
・資本
マーケット、資金調達の環境が整ってきているのが過去10年の大きな変化
・インターネットの普及によりさまざまな領域で起業しやすい、事業拡大しやすくなった
・文化の変化、10年前は海外で仕事を求める人が多かった(95%くらい)が最近はインドに残り仕事を求める人が多くなった(2人に1人くらい)
・政府そのものの変化、例えばオープンデータプラットフォームなどを提供してくれるようになった、様々なデータにアクセスできるようになった
インドには10社のユニコーン企業(評価額10億ドル以上かつ非上場のベンチャー)がある
アメリカの上位3、4位の会社はインド人がトップを務めている。
ただの議事録みたいになってしまったけど日付変わる前にあげます。
また明日の記事に続きをまとめます。
【シリコンケープのエコシステム】なぜ南アのスタートアップはケープタウンに集まるのか
こんにちは。
南アの情報はまだまだ日本語のサイトで取り上げられているものが少なく、翻訳しながらまとめていくことが多くなります。
英語は苦手なので8割ぐらい間違っているかもしれませんのでどんどんご指摘いただけると嬉しいです!
最初の記事で掲載したこの図で南アのスタートアップはケープタウンに集まっていることがわかりました。
今日はなぜ南アの起業家は拠点にケープタウンを選んでいるのか、そのエコシステムについて書きます。
重要なエコシステムとして挙げられるのは人材です。
マークザッカーバーグがfacebookを立ち上げたのはハーバード大学在学中。
テクノロジーにおいて世界の最先端と言われるシリコンバレーの多くのIT企業(Yahoo !やGoogleなど)のルーツはスタンフォード大学にあるとされています。
今年3月スタンフォード大学行ってきました。ばり広かった。(約54万人が住む杉並区と同じくらいの面積)
シリコンバレーには世界トップクラスのスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)が人材面で中核をなしており、アメリカだけでなく世界中から優秀な学生や研究者が集まり、シリコンバレー企業の重要な人材供給源になっています。
ケープタウンのある西ケープ州にはアフリカNo.1と言われるケープタウン大学に加え、アフリカトップ5に入るステレンボッシュ大学、そして西ケープ大学、ケープ半島工科大学など60km圏内に4つのトップレベルの大学があります。
また、この記事においては、倒産したスタートアップの5分の1が必要な人材の欠如を倒産の理由に挙げており、人材の重要性が窺えます。
4つのトップレベルの大学があることで西ケープ州には南アからだけでなくアフリカ諸国から優秀な人材が集まっているのではないでしょうか。
そしてそれに付随して南アのVCの58%がケープタウンに拠点を置いています。
Home - Cape Innovation and Technology Initiative
またVCによるハイリターンを狙ったアグレッシブな投資の取引の割合では、2012年からの3年間でケープタウンがある西ケープ州はヨハネスブルグなどがあるハウテン州を抜いて3倍以上の差をつけています。
Survey: South Africa's Venture Capital industry is now worth a massive R2bn – Ventureburn
日系大企業の支店もヨハネスブルグに多く、大企業はヨハネスブルグ、ベンチャーはケープタウン、といった風潮になってきているのでしょうか。
では今日はこのくらいで。
南アフリカ、ケープタウン関連でオススメのサイトなどあればぜひ教えていただきたいです!
また明日何か書きます。
ブログ始めました。
初めまして。
これからブログとして文字に起こしていくことにしました。
とはいえ初ブログではありません。
中学生とか高1ぐらいのとき、デコログやホームページのようなものなどで取るに足らない日常をブログに書いていた時以来です。
そのためブログで発信する能力に関しては高1レベルですのでそこは大目に見てください。
ブログを書くことにした理由としては大きく2つです。
考えを整理するため、そして記録に残すためです。
自らの考えや得た情報を文字に起こしてアウトプットすることで整理していこうと思います。そ
れに加えて、アウトプットすることを前提として話を聞いたり本を読んだりすることで知識の吸収率が全然違うということも最近感じています。
記録として残すのは、ただ単に後から見て面白いと思うからです。
留学前、期間中、その後の過程を記録としてブログにしっかり残していこうと思っています。
そうです、
来年の4月から大学を一年休学してケープタウンに留学することにしました。
ケープタウンは簡単に説明すると、南アフリカ共和国の西ケープ州にある都市で有名なスポットで言うと喜望峰がある都市です。
今回はその留学先に関する意志決定フローについて書きます。
例えばITならシリコンバレー、ファッションならパリ、サンバならブラジルだとか
留学期間中に身に付けたい能力で都市を選ぶと思いますが、
僕の場合は
①英語力
⇨在留邦人が少なく公用語に英語が入っている都市
②ITやスタートアップ、経済全般の現状や知識
⇨先進国もしくは今後経済成長が期待できる新興国の都市
③異文化理解力、バイタリティ
⇨先進国よりもどちらかというと新興国
他にも身に付けたい能力はありますが、国や都市によって変わってくるものは大きくこの3つです。
簡潔に言うと
です。
英語力だけでなく、他の日本の留学生との差別化を図って自らのバリューを上げていきたかったので、在留邦人が少ないことの優先順位は高く、
①:②:③=4:3:3
ぐらいの比率で思っていました。
在留邦人が少ないとはいえ、安全面も考慮しないといけないので、
外務省が定めている安全対策の目安の危険レベル2以上の都市は候補から外そうと思います。
外務省 海外安全ホームページ|海外安全ホームページを使いこなそう! 危険情報とは?
そのことから先ず地域別の在留邦人(いずれ我が国へ戻る3ヶ月以上の長期滞在者+永住者)数で見ていくと
外務省海外在留邦人数統計調査平成29年要約版(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000260884.pdf)
一番多いのは北米で49万1,844人で海外在留邦人全体の36.7%、
そして一番少ないのはアフリカで7931人、0.6%となっています。
東欧、中東、アフリカが少なく、アフリカは唯一前年比-1.11%と減少していることがわかります。
次に、地域別の日本人留学生数でみていきます。
平成27年度協定等に基づく日本人学生留学状況及び協定等に基づかない日本人学生留学状況(在籍大学等把握分)の合計 - JASSO
外務省には邦人留学生数に関してのデータがなく調査機関が異なるため、地域のカテゴリーが若干異なっていますが、留学生に関してもアフリカ、中東が少ないようです。
これでアフリカもしくは中東あたりに絞られてきました。
中東の国を経済面で見ていくと、中東のシリコンバレーとも言われているスタートアップ大国イスラエルや、NEXT11として経済成長が期待されておりPwCが今年発表した2030年世界経済をリードする21カ国ランキングでは12位にランクインしているトルコなど非常に興味深い国もありますが、中東はどこも公用語が英語ではありません。
2030年、世界経済をリードする21カ国ランキング —— 日本は何位? | BUSINESS INSIDER JAPAN
英語は通じるかもしれませんが、街の看板だったりスーパーで売られている商品など身の周りのものがヘブライ語やトルコ語で表記されている環境だと英語力を磨いていく環境には適していないと思いました。
残るはアフリカです。
あの中国の人口も2030年以降減少していくと言われていますが、アフリカはどんどん増加し続け、2050年には世界の人口の4分の1がアフリカ人が占めると言われています。
人口増加につれて経済が発展していくことが期待できます。
経済面で見ると
- BRICSの一角、アフリカで唯一のG20加盟国でアフリカを代表する経済大国である南アフリカ共和国
- 2013年にGDPで南アフリカを抜いてアフリカ最大の経済大国となったナイジェリア
- アフリカでGDPが第2位でNEXT11のエジプト
- 東アフリカ最大の経済大国ケニア
が挙げられます。
エジプトはアラビア語で、ナイジェリアのラゴス、ケニアのナイロビに関しては危険レベルが2なので適していません。
という流れで残ったのは南アフリカ共和国です。
上の記述に加えて、南アフリカ共和国は公用語に英語が入っていて、サブサハラアフリカ全体のGDP総額のおよそ20%を占める経済大国で、多くの日本企業(サブサハラ全体268社中121社。JETRO)がアフリカ大陸の拠点を設立している国なのでめちゃめちゃそそられます。
南アフリカ進出の魅力 | 南アフリカ進出支援はTryfunds
日本のサイトで調べてもヨハネスブルグとケープタウンぐらいしか名前が出てこないので毎月160万以上のアクセスがあるという南アのメディアを見てみました。
Best performing city in SA in 2014
データでみていくと2014年ではで南アを代表する大都市はイーストランド、プレトリア、ヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバンの5都市のようです。
ヨハネスブルグとケープタウンは人口が多いため、一人当たりGDPでは3位、4位となっています。
この5つから1つに絞るわけですが、結局最後は何に興味があるのかというところなので、スタートアップの盛んな都市に決めます。
イギリスの不動産会社がtech city についてまとめているデータがありました。
このサイトでは
・世界の主要な技術拠点
・その都市のスタートアップやインキュベーターの存在感
・グローバルなテック企業になるための都市としてふさわしいのか
・活気ある都市環境、才能ある人を繋ぐ役割
の4つをtech cityの定義としています。
各都市の評価基準は起業に必要な日数やからエスプレッソの値段まで100以上の様々な指標を調査しています。
http://www.savills.co.uk/research_articles/188294/214220-0
トップ3はアメリカ、東京は18位でギリギリ22位に南アで唯一ケープタウンがランクインしています。
ケープタウンは不動産コストでは3位、犯罪、医療、通勤時間などの生活環境やエンターテインメント、ナイトライフ、小売、娯楽では13位にランクインしています。
また、南アの起業家が立ち上げたメディアにはこのような図がありました。
2015年のこの記事では、ケープタウンのことをケープタウンとシリコンバレーを合わせて“シリコンケープ”とも呼んでおり、南アのスタートアップの約59%がケープタウンがある西ケープ州で起業、拠点を置いていることがわかります。
ヨハネスブルグやプレトリアがあるハウテン州は半分ほどの約29%となっています。
スタートアップに関しては南アの中ではケープタウンがアツいことがデータから見てわかりました。
一つ一つしっかりまとめていくとこんな意思決定フローです。
まとめると、
日本人が少なく
旧イギリス植民地で公用語に英語があり
これから経済発展が期待されるアフリカを
代表する南アフリカ共和国の
スタートアップが盛んな都市というロジックです。
次回以降はこんなに長くは書きませんが、留学するにあたって重要な部分になってくるのでしっかりまとめました。
同時に頭の中も整理されました。
スタートアップが盛んで環境も整っているにもかかわらず日本のメディアではケープタウンの情報が少ないので実際に現地で感じることがとても楽しみになってきました。
これから少しづつ更新していきます。
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