最近の日系企業によるアフリカ投資
こんにちは。
先日、Facebookが来年にナイジェリアのラゴスにソフトウェア開発者や起業家支援のためのコワーワーキングスペースを開設すると発表していました。
世界中からアフリカが注目されています。
そして最近の日系企業によるアフリカ投資はこちら。
三井物産がアフリカで農産物取引などを手掛けるETG社(ETC Group Limited))に約300億円、約3割を出資することで合意したと発表しました。
ETG社はドバイを本拠地とし、東アフリカ・環インド洋地域を中心に36ヶ国・約330か所に拠点を有する印僑系企業で、農産物取引(集荷・保管・輸出入・加工)、農業資材(肥料・農薬・種子など)販売、食品製造販売を幅広く展開しています。
ETG社は「農家と共に成長する。」を社訓の一つとし、農家の自立・成長を目的として、50年にわたり“食と農”関連事業を拡大しており、小さな農家と世界経済を繋げることに誇りを持っています。調達、加工、倉庫保管、運送、流通、マーチャンダイジングの分野で垂直統合された農業サプライチェーンを所有し、細部まで張り巡らせたネットワークとこれまでの歴史で培った200万戸に上る農家との信頼関係を強みとしています。
特に東アフリカ地域における肥料と雑豆類(大豆・落花生以外の豆類の総称で、インド等南西アジア地域における主要タンパク源の一つ)の取扱量はNo.1の実績を誇り、ゴマ、カシューナッツ貿易においても最大手の一角です。
アフリカは2025年には人口15億人を突破し、都市人口比率が50%近くに上昇することが見込まれ、“食と農”など、民生を支える事業分野のニーズが引続き高まっていくと予測されています。
特に、生産効率が低い農業の高度化・効率化と食料増産、インフラ整備における民間主導の分散電源や再生可能エネルギーの普及等、アフリカ市場として潜在的に大きな成長性を有しています。
総合商社に関しては資源エネルギー市況の低迷が続いたことで、2016年3月期の決算において、収益における資源分野の割合が高い三井物産と三菱商事が創業以来初の赤字を出すことになりました。
引用:世界経済のネタ帳
原油においては、2014年1月は1バレル( 約160リットル)当たり100ドル前後だったのが、2年後の2016年1月には30ドル前後まで落ちています。
鉄鉱石においては2014年1月時点で1トン当たり128.12ドルだったのが、
2年後の2016年1月には42.2ドルまで落ちています。
原油、鉄鉱石共に約3分の1まで落ちており、それがそのまま響いています。
それとは対象に利益の9割が非資源分野である伊藤忠商事が利益において初の業界トップに立ちました。
そのような背景から、総合商社は市況に左右されにくい資源分野から非資源分野へビジネスモデルを大きく変化させています。
とはいえ、原料炭の高騰を主因に2017年3月期には三菱商事が再びトップに立ちました。
不安定な資源分野にどうアプローチしていくのか今後も日系企業の海外事業には注目していきます。
人種別の創業者数のデータが出てる。
こんにちは。
南アフリカのメディアventureburnの記事のタイトルにblack entrepreneursという文字が。
気になったので覗いてみました。
まず上にあったグラフがこれ。
?がついてるけど2017年の州別スタートアップの比率のデータがでているようです。
ヨハネスブルグのあるハウテン州のスタートアップの割合が大きくなってる。
最初のブログでも出てきたデータはこっちのほう(2015年)
この2年間で大きく変化しています。
そしてその下には人種別のグラフが2つ。
この2年間で黒人の創業者がかなり増えているようです。
また、成功している創業者は白人だと36%、黒人だと13%と、人種によってが成功している確率が異なっていることも書いてあります。
そしてエンジェル投資家による投資の割合も白人のスタートアップは59%で、黒人スタートアップはわずか8%だそうです。
出資するかどうかをただ人種で判断しているのではなく、白人の方が教育環境が整っていたため、能力にも差が出ていて白人の方が革新的なスタートアップが多いということもあると思います。
この記事には普通にbalck startupやwhite startup、black founderやwhite founderなどが数回登場しています。
差別的表現にも思えますがどうなんでしょうか。
教育環境も整ってきつつあり、事業を起こすして雇われる側ではなく雇う側になり、黒人の地位は確実に上がってきてはいるものの、資金調達がしづらかったり、人種による障壁がまだ何かしら残っていることがデータからみてとれます。
経済に影響を及ぼしている南アフリカの文化はめちゃめちゃ興味深いです!
もっと勉強していきます!
ヨハネスブルグ証券取引所 時価総額ランキング
こんにちは。
今日は南アフリカのヨハネスブルグ証券取引所に上場している企業の時価総額ランキングTop10の企業をみていきます。
南アフリカの通過はランドで1ランド約8円くらいです。
通常だとJapan YenのJPYのように最初の2文字は国名コードでSouth Africa RandはSARになりますが、先にサウジアラビアのリヤルがSARとして登録されていたため、Southではなくオランダ語で「南」を意味する「Zuid」の頭文字が採用され「ZAR」 となっています。
2017年3月時点:The biggest companies in South Africa by market cap
1.AB InBev(Anheuser-Busch InBev)
アンハイザー・ブッシュ・インベブはベルギーを拠点としており、ユーロネクスト(フランス、オランダ、ベルギー、ポルトガルの証券取引所の総称)、ニューヨーク証券取引所にも上場している酒類メーカー。
2008年にバドワイザーで知られるアメリカのアンハイザー・ブッシュを買収合弁し、現在の社名に変更さ。
世界50カ国以上に製造拠点を持ち、世界シェア20%を超え、2010年の南アフリカワールドカップでは公式スポンサーとして協賛している。
2.British American Tabacco
ロンドンに本社を置くタバコ製造販売している企業で1902年にイギリスのインペリアル・タバコ(現在のインペリアル・ブランズ)とアメリカのアメリカン・タバコ・カンパニーの合弁会社として設立された。
3.BHP Billiton
BHPビリトンは2001年にオーストラリアのBHP(Broken Hill Proprietary)社とイギリスのBilliton社の2つの鉄鋼会社が合弁して誕生しました。それによってそれまでトップだったアングロ・アメリカン社を抜いて世界最大規模の資源会社となった。
三菱商事のモザンビークにおけるアルミ精錬会社モザール社はこのBHPビリトン社と南アフリカ開発公社との共同出資で設立されている。
4.Nespers
ナスパーズは以前ブログで登場した1915年にケープタウンに設立されたウェブ関連のサービスを提供している会社で現在は世界130カ国以上にサービスを提供している。
1994年に上場し、今では世界的な投資会社になっている。
つい先週Facebookを抜いて時価総額世界5位になったとされる中国のテンセント(We Chatなど)の株も30%ぐらい保有。
5.Richemont
リシュモンは南アフリカの実業家ヨハン・ルパートによって創業され、現在はスイスのジュネーブに本社がある。
カルティエやダンヒル、クロエなどの親会社でこの高級ブランド品市場ではLVMH(ルイヴィトンのグループ、PPR(グッチのグループ)に続いて3位となっている。
まとめ
時価総額ランキングではアフリカの成長市場を見込んで南アの企業を買収したり、設立された合弁会社などが少なくないようです。
調べたてみた感じ、日本でいうソフトバンクのような世界的にもプレゼンスが高まっている南アフリカを代表する企業はナスパーズでしょうか。
ナスパーズに関してはもっと深く調べていこうと思います。
【アフリカ初のユニコーン企業】Jumiaとは
こんにちは。
アフリカにもユニコーン企業があるなんて知りませんでした。
今年の6月時点で世界にユニコーン企業は252社あるとされており、1位はアメリカで全体の約42%、2位が中国で約39%、3位はインドで約4%とアメリカと中国の企業が8割を占めています。
ユニコーン企業とは企業価値が10億ドルを超える非上場のベンチャー企業のことで、日本だと来年には上場するのではないかと言われているメルカリやDMM.comの2社が挙げられます。
そしてアフリカにもユニコーン企業があります。
今日はそのアフリカ初のユニコーン企業となったJumiaに関して書いていきます。
Jumiaはドイツ拠点のRocket Internetと呼ばれるインキュベーターによって2012年にナイジェリアのラゴスで設立されました。
共同創設者のSacha Poignonnec(左)とJeremy Hodara (右)
写真:My Take: AIG Is Not Worth $1 Billion Value | PageOne.ng
どうやらオリジナルなビジネスモデルはあまりなく、Rocket Internetはシリコンバレーの最新のビジネスモデルをコピーし、主にヨーロッパととアジアで展開し、サービスを売却して利益を上げているようです。
アフリカ版アマゾンを目指したECサイトJumiaもそのひとつで、1億8千万人の人口や高いポテンシャルからナイジェリアを中心にアフリカ20ヶ国以上で展開されています。
ゴールドマンサックスや南アフリカに拠点を置くアフリカ最大の携帯電話通信事業者MTNグループなどから出資を受け、2016年にアフリカ大陸初のユニコーン企業となりました。
しかし南アフリカでは展開されておらず、そこではAmazonよりもtakealotというECサイトが多く利用されているようです。
アフリカのECは、スマートフォンの普及によって、急速に伸び始めています。
しかしECサイトを運営するには注文から配送までのインフラ整備が不可欠であり、まだインターネットすら普及していない国もアフリカには多くあるため、インフラ整備等のコストを考えると、アフリカのECサイトの成長スピードは他の地域と比べると劣っています。
ナイジェリアで放送されているJumiaのCM
実際に出資しているゴールドマンサックスをはじめ、世界の投資家から注目されています。
JumiaはECだけでなく、デリバリーサービスや決済サービスなど多岐にわたって事業を展開しているようなので、今後もどのように広げいくのか注目していきたいと思います。
Jumiaのサービス一覧:Jumia Services
南アフリカが抱えている問題【感染症】
こんにちは。
新興国に長期滞在する際はやはり感染症などが気になるので、ちょっと現状をまとめていきます。
人の免疫機能を標的とし、感染症やある種の癌に対する人々の免疫応答を低下させるのがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)で、それが最も進行した状態がAIDS(後天性免疫不全症候群、エイズ)です。
個人差がありますが、感染して2年から15年で発症すると潜伏期間が長いことでも有名です。
世界では2015年までに3500万人以上の命を奪っており、南アフリカでは死因の第1位で、約40%はエイズが関係しているようです。
人口5591万人の南アフリカですが、国全体で約560万人、成人の5人に1人が感染しているとされています。
2004年に公的医療機関におけるエイズ治療薬の無償支給が開始されたり、
WHO(世界保健機構)によるHIVに関する教育が実施されたりして、感染者数は減少しつつあります。
しかし学校に通えない子供たちがHIV/AIDSに関する正しい知識を身につけることができないうえ、その子供たちの両親もHIVに感染し死亡するため教育できる大人がいないという悲しい現実に直面しているようです。
都市部以外ではまだまだ大きな問題となっています。
そしてもう一つはマラリアです。
マラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染する病気で、1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
南アフリカでは都市部はマラリアの汚染地域とされていませんが、観光地であるクルーガー国立公園のあるムプマランガ州、リンポポ州では毎年、患者が発生し、死亡例もあります。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、2013年12月に公表された統計によると、1年間に約2億700万人が感染し、推計62万7,000人が死亡しています。日本でも100人近くが輸入感染で発症しています。
クルーガー国立公園ではビッグ5と言われれるゾウ、ライオン、サイ、バッファロー、ヒョウをはじめ多くの野生動物を見ることができます。
留学中の楽しみの一つでもあるので、服装、予防接種などしっかり対策していきたいと思います。
2017年の世界的なテック企業によるアフリカ投資
こんにちは。
アフリカは成長市場であり、世界中から注目を浴び始めています。
今日は世界的な企業による最近のアフリカへの投資をみていきます。
1.Uberは2000万ドル(約22億円)をエジプトへ投資すると発表(2017年10月)
世界各都市で展開されている配車サービスのUberはエジプトの首都カイロにサポートセンターを設置し、今後5年間で2000万ドルを投資し、700人の雇用を創出するとしています。
また、エジプト政府と協力し国の渋滞を緩和する目的でバスサービスも開始しています。
2.Microsoftは2018年までに南アフリカのヨハネスブルグとケープタウンにデータセンターを開設する予定であると発表(2017年5月)
MicrosoftはOffice360をはじめとするさまざまなサービスをユーザーに効率よく提供できるようにするため、2018年までに南アフリカのヨハネスブルグとケープタウンにデータセンターを開設する予定であると発表しました。
アフリカ市場が秘めるポテンシャルが高く、クラウドサービスに対する需要が高まっていることが理由のようです。
3.Googleはパートナー3社とインターネットインフラ整備に1億ドル投資を発表(2017年5月)
Googleがケニアの首都ナイロビに設立した光ファイバー網の整備のCSquaredは南アフリカの投資ファンドであるConvergence PartnersとIFC(国際金融公社)、そして三井物産から出資を受け、インターネットインフラ整備に1億ドル投資することを発表しました。
Convergence Partnersはガーナ、ウガンダで4G回線や公共のWi-Fiネットワークを整備しており、これからリベリアにも広げていくようです。
中国は2030年以降人口は減少しますが、アフリカはそれ以降もどんどん続け、2050年には世界の人口の4分の1がアフリカ人になると言われています。
今後もいろんな企業がアフリカへの投資に乗り出していくと思うので、注目していきたいと思います。
【南アフリカの日系企業】三菱商事
こんにちは。
今日は南アフリカで日系企業はどのような事業をおこなっているのかについて書いていきます。
今回は三菱商事について書きます。
三菱商事は財閥系の総合商社で、そのなかでも2017年3月期の決算において純利益4402億円でトップに立っています。
まさに日本を代表する会社です。
南アフリカでの事業内容
・主にステンレス原料となるクロフェロムの生産を手掛けるハーニック・クロフェロム社の経営・事業活動に参画
1995年に設立されたハーニック社はヨハネスブルグ近郊にあるフェロクロム(ステンレスの製造原料)製造販売会社でクロム鉱石の採掘、フェロクロムの精錬・販売まで一貫して行っている会社です。
約11億トンある世界のクロムの約74%が南アフリカにあるとされ、世界一の産出量を誇っています。
同社は年間生産量で世界 第4位、世界シェア7%を占める約 42 万トンのフェロクロム製造していました。
2000年3月、南アフリカにおいてクロムの商権獲得に乗り出していた三菱商事が、最 初、9.35%の株式を取得する形で資本参加を実現。その後、2002 年 8 月に当時のハー ニック社の主要株主との株式売買契約が成立し、三菱商事がハーニック社の株式 53.475% を取得し最大の株主となりました。
これは三菱商事として外国の鉱山の経営権を取得した初めての事例となりました。
しかし、2017年9月、会社更生手続きの開始を申し立てることを決議したと発表しています。
フェロクロム市況の低迷が影響し資金繰りが悪化していることから、自力での再建を断念し今回の措置に至ったようです。
実際に三菱商事と収益に占める資源の割合が大きく、資源の価格下落を受けたことがそのまま2016年3月期の創業以来初の連結最終赤字(グループ企業を全て合わせた決算)につながっています。
その影響で、資源に依存した収益構造は見直しを迫られているようです。
参考:https://abp.co.jp/PDF/ABP_List_Japanese_Companies_Doing_Business_in_Africa_Jpn_2017.pdf